脳梗塞になって車椅子生活になった父親をみて思うこと。

脳梗塞になって車椅子生活になった父親を見て思うこと

お酒というのは量が過ぎると病気になってしまうというのは分かっているつもりではいましたが、まさか側にいる自分の父がアルコール依存症で苦しみ脳こうそくを発症してしまうとは・・・。

 

 

父は62歳。2年前に定年を迎え、今まで企業戦士として頑張ってきた分、家庭でゆっくりと休むつもりだったようで、65歳まで契約社員として働くという道もあったようですが、退職して家で過ごすようになったのです。

 

それまで人付き合い以外で父がお酒を口にするのは見たことがありませんでした。

 

「それじゃあなぜ?」と首を傾げられてしまうかもしれないんですが、退職後、家で過ごす時間が増えたのはいいものの、時間を持て余すようになったのかもしれません。

 

毎朝スーツを着て会社に通勤する人たちの姿を目にしてはため息をついたりもしていました。やりがい・生きがいというものを見失ってしまったのかもしれませんね。

 

それなら趣味に没頭しては?と近所の同年代の方からゴルフや将棋などのお誘いを頂いたこともあります。

 

それでも、気乗りしなかったようです。でも、父自身が「これではいけない・・」と思ったのでしょう。

 

家の修繕や家庭菜園を始めるようになったのです。この家庭菜園が大当たり!夏野菜が収穫期に沢山採れたのが嬉しかったようで、台所に立ち料理をするように。

 

しかし、この台所に立つことによってお酒に手を伸ばすようになってしまったのです。要するに“キッチンドランカー”と呼ばれているものです。

 

料理用に買っていた日本酒に手を出したのが一番のきっかけです。昼間から酒を飲むように・・。

 

はじめは少量だったので私も母も「あら〜また飲んでる〜」くらいに思いながらみていたんです。ところが、三日ほどで一升瓶を一本空けてしまうように。

 

 

さらに、無くなると自分で日本酒を買いにいくように。

 

最初は日本酒だけでしたが、ビール・酎ハイ・ワイン・・・かたっぱしから買っては飲むようになったのです。

 

飲んではダイニングキッチンで昼間っから居眠りをするように・・・。酒を飲んでは自分でつまみを作って食べる。

 

このスタイルは、母と私にはなんら害はなく、むしろ作った料理が食べれる特典までありました。が・・・酒の量は日増しに増える一方。

 

おだやかに構える母もさすがに「キッチンドランカーっていうんじゃないの?こういうのって」と口にするようになり、さすがに注意するも時すでに遅し・・。

 

 

ほとんど酒を飲まなかった人が半年間毎日酒を浴びるように飲んだら・・・限界がきたんだと思います。

 

ある日のこと、体のしびれを訴えたかと思うと突然失禁。そして倒れてしまったんです。救急車を呼んで病院へ。・・・脳こうそくでした。

 

1か月ほどの入院で今は自宅療養をしていますが、半年間のんきにかまえてしまっていた私たちも悪かったとおもってます。もっと早くに止めるべきだったと・・。

 

後悔しても、しきれませんね。(父も母も何もいいませんが・・・)

 

車椅子の父の背中を見ていると、時々胸が苦しくなるのです。「キッチンで飲み始めた頃に戻れたら・・」と。

 

 

ゆきえ 女性 20代前半