お酒は肝臓以外にもダメージを与えます。

お酒による健康への影響は肝臓だけではありません。

お酒と肝臓の病気についてはコチラで詳しく解説しています。

お酒にまつわる肝臓の病気について

 

体内に入ったお酒はほとんどが肝臓で処理されることから、お酒によって肝臓の病気になることは良く知られています。

 

しかし、お酒が原因となって病気になるのは肝臓だけではありません。

 

ここでは、肝臓以外の部分で、お酒と関係の深い病気ついて部位別におさらいしていきます。

 

肝臓以外にお酒に関係する病気

 

 

お酒が関係してくる病気はこんなにあるんですね。それぞれの病気の概要やどのようにお酒が関係しているのかをおさらいしていきましょう。

 

お酒が関係する【胃】の病気

お酒がに関係する胃の病気

胃は食べものを消化する臓器で、胃液(胃酸)を分泌して食べたもの殺菌しながらドロドロの状態に分解してから小腸へと送る働きをします。

 

胃酸によって溶けた食べものがドロドロになることによって小腸や大腸で吸収しやすくすなるんですね。

 

アルコールも同じように胃で消化・吸収されます。飲んだアルコールの9割近くは肝臓で処理されますが、肝臓に届く前に10%ほどは胃で処理されるんです。

 

当然、アルコールによって刺激を受けるので、大量の飲酒が続くと胃にも負担がかかり場合によっては、胃炎や胃潰瘍などを発症させる原因となることが分かっています。

 

アルコール急性胃炎

アルコール性急性胃炎は文字通りアルコールによって胃が炎症を起こしてしまう病気です。胃炎には慢性胃炎と急性胃炎がありますが、アルコールによるもののほとんどは急性胃炎と診断されます。

 

急性胃炎の場合、原因を取り除けば症状も治まることが多く、慢性な胃炎と比較すれば症状が出ている期間は短いのが一般的です。

 

アルコールによって胃の粘膜が機能低下してしまう

胃は食べた物を胃液で消化するための臓器ですから、胃の中は胃液によって常に強い酸性の状態が保たれています。

 

内臓を作る細胞のほとんどはタンパク質でできていて、強い酸に触れると溶けて炎症を起こしてしまいます。胃の細胞も同じで胃液に触れると炎症を起こすことから胃の中(胃壁)は酸から守るための粘膜で保護されています。(胃粘膜といいます。)

 

アルコールを大量に摂取すると胃の中でのアルコール濃度が高くなり、胃粘膜が持っている防御機能が失われてしまいます。胃粘膜の機能が失われてしまうと強い酸性の胃液によって胃壁が炎症を起こしていまます。

 

胃液によって炎症をおこすと、胃痛、胸焼け、ムカつきなどの症状が表れます。炎症が進行すると強い痛みを発したり場合によっては吐血も引き起こしてしまいます。

 

アルコール性急性胃炎とは…

  • アルコールによって胃粘膜の防御機能が低下
  • 胃酸によって胃壁が炎症を起こす
  • 胃痛、胸焼け、ムカつき、吐血などの症状がでる

 

 

アルコール性胃潰瘍

胃潰瘍(いかいよう)はとてもメジャーな病気なので一度くらいは名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。「ストレスが溜まると胃に穴が開いて胃潰瘍になる」なんて言われますが、実はこれは冗談ではなくて事実なんです。

 

ストレスに対応するために身体はエネルギーをたくさん必要とするので胃は少しでも消化吸収性を高めるために胃酸を大量に分泌します。

 

この時、大量に分泌された胃液によって胃壁が刺激されて炎症を起こしてしまうのです。アルコール性胃潰瘍も原理は同じで、過剰なアルコール摂取が続くと胃液によって胃壁が炎症を起こしてしまいます。

 

炎症を起こすことで脳は飲酒を止めるように倦怠感や胃痛、胸焼けといったサインをだして飲酒をしないように仕向けるのですが、このサイン(諸症状)を無視して飲酒を続けるとやがて胃に穴が開くくらい炎症が進行してしまうのです。

 

胃潰瘍は胃炎が進行した状態

アルコール性の胃潰瘍とは、アルコール性胃炎が進行して胃に穴が開くくらい胃酸によって胃壁がダメージを受けた状態を指します。

 

アルコール性胃潰瘍まで進行してしまうと治療にはかなりの時間が必要とするほか、胃液の分泌を抑える薬を処方されるので、禁酒はもちろん食事も制限されてしまいます。

 

主な症状には、胃や背中の痛み、吐血・下血、胸焼け、ムカつき、脱水症状などがあります。とくに胃の痛みは激しくしばらく何も口にできないくらいになると言われています。

 

アルコール性胃潰瘍とは…

  • アルコール性胃炎が進行した状態
  • 胃壁に穴が開くくらい深く炎症が進行
  • 激しい胃の痛み、吐血・下血など症状が重い
  • 治療に数ヶ月の時間が必要


お酒が関係する食道の病気

お酒がに関係する食道の病気

食道は口から胃までをつなぐ細長い器官で、アルコールなど食べたものが最初に通る場所です。

 

食道には、消化・吸収する能力はなく、食道の働きは「食べたものを速やかに胃に届けること」と「食べたものが胃から逆流しないようにすること」の2点のみと言ってもいいでしょう。

 

食道は食べたものを胃まで送るためにぜん動運動をします(野球の応援などでよく見る人間ウェーブみたいな動きのやつですね)

 

食べたものが胃までに届く時間は液体なら1〜5秒、固形物なら30〜60秒とされています。アルコールは液体ですから食道を通過する時間はほんの僅かであるにもかかわらず食道の健康に影響を与えてしまいます。

 

逆流性食道炎

逆流性食道炎とは胃酸や胃の内容物が逆流することで食道が炎症を起こしてしまう病気です。テレビCMも放映されていたため知名度が上昇し、今では多くの方が名前だけでも聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

 

食道から胃に送られた食べ物は胃の中で強力な酸(胃酸)によって分解されてドロドロの状態になります。このドロドロとした状態の食べ物には当然胃酸が含まれていますから胃から逆流して食道に戻ってくると酸で食道が炎症を起こしていまいます。

 

逆流しないために胃と食道が繋がっている部分には「下部食道括約筋」と呼ばれる筋肉があって通常胃で食べ物を送る時以外はギュッと閉じられているのです。

 

この「下部食道括約筋」の働きによって胃から食道へ胃酸が逆流することを防いでるんです。

 

アルコールによって胃酸が逆流してしまう2つの原因

アルコールによって胃の中の食べ物や胃酸が逆流してしまう原因と考えれるものは2つあります。

 

一つはアルコールが筋肉の働きを鈍くしてしまう作用をもっていること。胃酸の逆流を防ぐ門の役目を果たす下部食道括約筋もアルコールによって一時的に緩んでしまいます。

 

2つ目はアルコールには胃酸の分泌を促す作用があることです。食前酒と呼ばれるお酒は実は消化にとっては胃酸分泌を促すと言う意味で有効なのですが、空きっ腹などにお酒が入ると胃酸だけが過剰に分泌されて胃酸の濃度が高くなってしまいます。

 

さらにお酒の影響として考えれるのは炭酸が入ったお酒(ビールやチュウハイなど)は胃の中で炭酸ガスが発生しやすくなりゲップとともに逆流を促す原因になってしまいます。

 

こうしてアルコールによって逆流性食道炎が発生してしまうとお酒を飲んでいない場面でも胃酸が込み上げて胸焼けしたりムカつきや吐き気などを催すようになってしまいます。

 

治療はアルコールをストップして投薬によって行われるのが一般的ですが、下部食道括約筋が完全にユルユルになってしまうと、括約筋の代わりにリングをはめる外科手術なども行われます。

 

 

アルコール性逆流性食道炎とは…

  • 胃酸が逆流して食道が炎症を起こしてしまう
  • アルコールによって下部食道括約筋が緩む
  • お酒が胃酸の分泌を促す

 

 

食道がん

食道がんは文字通り食道にがんができてしまう病気です。食道がんは早期発見すれば治る可能性も随分高くなりましたが命に関わる重大な病気であることは変わりません。

 

食道がんの原因としては飲酒、喫煙が高い割合を占めます。それぞれがリスクを抱えていますが特に飲酒も喫煙も両方するという方は食道がんのリスクが高まっていると認識するべきでしょう。

 

食道がんは初期の頃はほとんど自覚症状がありません。そのため早期の食道がんは検査で発見されることが多く、自覚症状が出ている状態の食道がんはある程度進行してしまっていると考えられます。

 

具体的な症状としては食べ物を飲み込んだ時につかえるような感じがする、胸や背中に痛みを感じる、声が出にくい、咳が止まらない、体重が減るなどです。

 

もちろんこれらの症状のいくつかが出ているとして食道がんとは限らないのですが、食道がんの可能性も0とは言えません。

 

食道ではアルコールの有毒物質を分解することができない

アルコールはほとんどが胃や肝臓で分解・解毒され最後は血液を通して体外に尿として排出されます。この分解や解毒の過程で有毒物質「アセトアルデヒド」が発生します。

 

通常の健康な身体だとアセトアルデヒドもアセトアルデヒド脱水素酵素と呼ばれる酵素で分解されるのですが、大量の飲酒が続くとこのアセトアルデヒドの分解が追いつかなくなると分解されないまま血液中を巡って全身に回ります。

 

アセトアルデヒドが回ると、いわゆる悪酔いの症状を引き起こすのですが、このアセトアルデヒドには発ガン性があることが確認されています。

 

食道ではこのアセトアルデヒドを分解するアセトアルデヒド脱水素酵素の働きが弱いので、アセトアルデヒドが食道までまわると発ガンのリスクが高くなってしまうのです。

 

アセトアルデヒドの食道ガンへの影響は、世界保健機関(WHO)や国際がん研究機関でも人における証拠が十分な要因であると認められています。

 

アルコールと食道ガンが関係とはつまり…

  • アルコールを分解する時にできるアセトアルデヒドには発ガン性がある。
  • アセトアルデヒドの分解が追いつかなくなると血液を通して全身にめぐる
  • 食道ではアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱い

 

 

マロリーワイス症候群

マロリーワイス症候群という聞き慣れない名前の由来はマロリーとワイスという2人の医師が発見した病気ということにあります。

 

飲酒後に激しい嘔吐を繰り返し、最終的には食道から胃にかかる部分が縦に亀裂が入ったような状態になって出血し吐血に繋がるというなんとも恐ろしい病気です。

 

あまり聞き慣れない病気だと思うのですが飲酒後に発症する病気で、近年はその発症者も増えていて比較的身近な病気となっています。

 

原因についてですがやはり飲酒が大きく関係しています。何度も嘔吐をしていると胃が強いダメージを受け、やがて胃の粘膜が裂けそこから出血してしまいます。

 

出血の原因そのものは嘔吐による粘膜の損傷ですが、原因としてはやはり飲酒が高い割合を占めており、嘔吐の原因の3割から5割は飲酒が原因と言われています。

 

アルコールによって酔が回り気分が悪くなって嘔吐する経験はお酒を飲む人なら一度くらいは経験あるのではないでしょうか。

 

嘔吐は胃や食道、、お腹の筋肉が瞬間的に収縮して大きな腹圧によって食べたものを口から吐き出す行為です。この時にかかる腹圧によって粘膜部分が損傷を受けるのです。

 

お父さん世代に多くみられる病気

マロリーワイス症候群は、40代から50代くらいの男性が発症する圧倒的に多いのもこの病気の特徴です。毎日お酒を飲むという方も多い世代ですし、飲酒との関係も想像できます。

 

症状についてですが何度も嘔吐しているうちに吐血するようになり、さらにみぞおちの痛み、立ちくらみ、酷い場合だと特発性食道破裂という食道が破れる症状も出ます。

 

大量の出血に繋がる場合もあり、非常に厄介で危険な病気と考えるべきです。嘔吐の後に吐血するので自分でもすぐに異常があることは気付ける病気で、すぐに病院で診察を受けるといった対応が求められます。

 

予防策としては嘔吐を防ぐことが重要なので主な原因となっている飲酒を控えるのが1番です。飲むとしても嘔吐してしまうほど飲まない、つまり飲み過ぎないことが肝心です。

 

マロリーワイス症候群とは…

  • 嘔吐による腹圧によって胃から食道にかかる部分が損傷する
  • 40代から50代くらいのお酒を飲む男性に多く見られる
  • 嘔吐を繰り返すことで食道が破裂する重症になるケースもある

 


お酒に関係する小腸(十二指腸)の病気

お酒がに関係する小腸の病気

十二指腸は胃から小腸にまたがる長さが25センチから30センチほどある細長い臓器です。

 

この十二指腸ではすい臓やから送られる膵液と胆のうから送られる胆汁が集まり胃で消化しきれなかった食べ物をさらに消化する働きを持っています。

 

膵液や胆汁は胃からきた酸性に傾いた食べ物を中和するためにアルカリ性に傾いています。十二指腸ではこの膵液や胆汁の働きを助けるためのホルモンが分泌されるほか、胃液の分泌を抑えるホルモンも作られています。

 

十二指腸は胃で消化しきれなかった食べ物をアルカリ性に戻しながら、さらに消化する働きを担っているんです。この十二指腸も大量のアルコール摂取が続くと厄介な病気を引き起こしてしまいます。

 

 

十二指腸潰瘍

十二指腸の内側は胃と同じように消化酵素の強い刺激から十二指腸を守るたもの粘膜が張り巡らされています。

 

十二指腸潰瘍とはこの十二指腸内の粘膜がアルコールなどの原因によってただれたり傷ついたりしてしまう病気です。十二指腸はアルカリ性に傾いている状態で機能を発揮することができるため胃から胃酸が直接降りてくるとモロにダメージを受けてしまいます。

 

胃のすぐ下にあるにもかかわらず胃液に弱いという弱点があるんですね。そうした胃液から十二指腸を守るために粘膜が発達しているのですが、アルコールはこの粘膜の働きを低下させてしまい、アルコールや胃液によって深くダメージを受けてしまうのです。

 

胃潰瘍と同じ原理が十二指腸でも働くことを十二指腸潰瘍と呼んでいるのです。

十二指腸潰瘍の症状は様々

十二指腸潰瘍の症状は人によって様々ですが、腹痛、吐き気、胸焼け、食欲不振、下痢など胃潰瘍と似たような症状を発症します。

 

また、重症化すると吐血や狭窄、背中の痛みなども症状として現れます。

 

初期症状とも言える腹痛や吐き気、胸焼けなどは十二指腸潰瘍が原因とは判断しにくいため発見が遅れやすいのも特徴でしょうか。

 

たとえばお酒を飲んだ次の日にこうした症状が出ても2日酔いだろうと考える方がほとんどのはずです。それが実は十二指腸潰瘍だったということもあるので定期的に病院で検査してもらうのが1番良い方法になります。

 

十二指腸潰瘍とは…

  • 胃から繋がる十二指腸が胃液などによって損傷を受ける。
  • アルコールによって胃酸が大量に分泌されると影響を受けやすい
  • 腹痛、吐き気、胸焼けなど二日酔いの症状に似ているため見逃されやすい


お酒に関係する心臓の病気

お酒がに関係する心臓の病気

心臓は全身に血液を送る働きを担い、哺乳類の臓器のなかで最も重要な臓器であることはもやは説明不要でしょう。

 

心臓はとても重要な機関であるために活発に新陳代謝が繰り返されつねに病気のもととなるものは血液とともに排除するためちょっとやそっとでは病気にならないようになっています。

 

しかし、この心臓が一度病魔に犯されると全身の機能に影響がでて救命率の低い病気を引き起こしてしまう原因にもなります。

 

重要な臓器であるからこそ、病気に対する備えや知識を身につけておくことが大切になってきます。

 

 

アルコール性心筋症

アルコール性心筋症とは名前の通り、アルコールによって心臓を動かす筋肉に障害がでる病気です。

 

心筋症には、筋肉が厚くなる「肥大性心筋症」と筋肉が逆に薄くなる「拡張型心筋症」、そして、筋肉が固くなる「拘束型心筋症」の3つに分類されますが、アルコール性心筋症はこのうち、筋肉が「薄くなる、弱くなる」の2つの症状がでる病気とされています。

 

アルコールが心臓の筋肉に与える影響は様々で個人差の大きいもの特徴ですね

 

アルコールが心筋に与える影響は以下のようなものがあります。

  • 心筋が緩んでしまうことで血液が運べなくなる
  • 血液が心臓に貯まることで腫れてしまう
  • 血圧が上昇して心臓に大きな負担がかかる
  • 心臓の血管や弁に負担がかかって機能が低下

 

アルコール性心筋症の症状

アルコール性心筋症の症状としては息切れや心臓の鼓動が乱れる、脈が乱れる、疲労感や脱力感を感じる、めまいがする、足がむくむ、痰がピンク色になるなどが挙げられます。

 

こうして見ると1つ1つの症状はそれほど重大なものではないように感じられるかもしれませんが、こうした症状が出る場合はアルコール性心筋症の可能性があるのです。

 

うっ血性の心不全が起こって命を落としてしまうリスクもありますので飲酒をよくする方は常にこの病気に気を付けましょう。

 

アルコール性心筋症を予防するためには当然ですが飲酒を控えることが重要です。できれば完全にお酒を止めてしまうのが良いのですがそれが無理だとしても毎日大量に飲酒することだけでも避けるべきです。

 

 

アルコール性心筋症とは…

  • アルコールによって心臓を動かす筋肉に障害がでる
  • 心筋症が進行すると救命率の低い心不全などの合併症を引き起こす

 


お酒に関係するすい臓の病気

お酒がに関係するすい臓の病気

すい臓は胃の真下に位置していて、消化の為の酵素(膵液・すいえき)や血糖値を正常に保つためのホルモンなどを分泌する重要な臓器です。

 

すい臓は膵管と呼ばれる管で消化器官でもある十二指腸とつながっていて、十二指腸へ消化液での膵液を供給します。

 

この膵液には3大栄養素の「タンパク質、炭水化物、脂質」を分解する酵素が含まれていて人間の体内で行われる「消化」と呼ばれる働きにとってはなくてはならない重要なものとなっています。

 

アルコールを大量に摂取することで膵臓の細胞がボロボロとダメージを受けてしまうと膵炎と呼ばれる病気を引き起こしてしまい膵液が十分に分泌されなくなって食べ物の消化・吸収がうまくいかなくなってしまいます。

 

膵臓は消化器官であることからアルコールとは密接な関係を持った臓器なのです。

 

アルコール性膵炎

アルコールが原因となって膵臓が炎症を起こしてしまう病気をアルコール性膵炎と呼びます。

 

膵炎には急性膵炎と慢性膵炎の2つがありますがアルコールは急性、慢性どちらの膵炎も引き起こす原因となることが分かっています。

 

急性膵炎と慢性膵炎はそれぞれ別のメカニズムで発症するとされていますが、詳細なメカニズムは実のところ完全に解明されていません。

 

ただ、どちらの膵炎もアルコールの摂取が引き金となっていることは確かで、アルコールによる膵炎の患者さんは年々増加傾向にあります。

 

急性膵炎の特徴と症状

厚生労働省の「難治性膵疾患に関する調査研究班」の2011年の統計によると急性膵炎にかかった患者のうち男性は女性のおよそ2倍を示しています。

 

これは、単純にアルコールの摂取する人口などに比例していて羅患率に性差はないと言われています。

 

急性膵炎の原因はいくつかあるのですが、そのうちアルコール性膵炎は全体の半数近くを占め、アルコールの摂取が急性膵炎を引き起こすきっかけになっていることを裏付けるものとなっています。

 

詳細にみていくと、20代〜50代に多く見られ病気で、これもアルコール摂取する機会が多い層と比例しています。

 

アルコールによる急性膵炎は膵臓で作られる酵素によって膵臓自身が溶けてしまうと言う病気ですが、アルコールがどのように作用しているかは今のところ解明されていません。

 

主な症状に腹痛、吐き気・嘔吐、発熱、背中の痛みなどがあり、特に腹痛は立っていられなくなるほどの痛みを伴うとされています。

 

急性膵炎の一部では重症化すると命の危険のある病気ですが、一般的な急性膵炎であれば治療後半年ほどで膵炎は収まり病前の状態まで戻すことが可能とされています。

 

急性膵炎の特徴

  • 男性の方が女性より2倍かかりやすい
  • アルコールの摂取が大きな原因の一つになっている
  • 膵臓で作られる酵素が膵臓自身にダメージを与えてしまう病気
  • 立っていられないほどの激しい腹痛を伴う
  • 適切な治療で病前の状態まで戻すことは可能

 

 

慢性膵炎の特徴と症状

継続的なアルコールの摂取が原因とされている慢性膵炎もまた、男性が女性に比べて2倍近い羅患率を示しています。

 

急性膵炎と同じくアルコールの影響が認められていて、慢性膵炎7割近くがアルコール性膵炎と診断されています。

 

長年の飲酒が原因となることから、羅患する人のピークは男性で50代、女性は60代となっています。時間を掛けてじわじわと症状が進行することから発見される年齢が高くなっているのが特徴です。(20代でも羅患します)

 

慢性膵炎は膵臓に継続的に炎症がおこる病気で、アルコール性肝線維症と同じくダメージを受け続けることによって膵臓の細胞が線維化して硬くなってしまう病気です。

 

慢性膵炎が進行して線維化してしまった細胞は元にもどすことはできないので、慢性膵炎と診断されると現状維持のための治療しかできません。

 

主な症状として、鈍い腹痛や吐き気、嘔吐、食欲不振、膨満感などがあります。急性膵炎のような激しい痛みはないものの持続的に感じる疼痛に悩まされる人も多いのが特徴です。

 

慢性膵炎の特徴

  • 羅患するピークは男性で50代、女性は60代前後
  • 膵臓が炎症をおこして線維化するのが特徴
  • 線維化すると萎縮して元にもどらない
  • 主な症状に鈍い腹痛、嘔吐、食欲不振、継続的な疼痛などがある